オタク7人で富士山に登った話
結論から言うと登っちゃえたので、なんだか抜け殻状態のしゃるどねです。
目先の目標は到達した、私は富士山を既に知ってしまった、童貞を卒業したときというのは果たしてこのような気分なのだろうかと思いを巡らせる。
何の参考にもならない山行記、つらつら書いていきます。
発端は半年ほど前で、拙宅でベロンベロンに酔っ払ったフォロワーの脇役くんと私で、「富士山登ろうぜwwwww」という話をしたことが始まり。
登山経験者のオタク2人を誘い、
いつの間にか北海道と福島のフォロワーが加わり、さらに静岡の民を巻き込むことで、
合計7名のパーティーが出来上がりました。賑やかで楽しい。
ワイたちはこれになりたかった。富士山に登れば美少女になれるらしい。
登山までにやったこと
・まだ筋力の少ない右脚をシバく
スプリットスクワット、片足ヒップリフト、バランスボールヒップリフトなどなど
ちゃんと右でも片足プランクができるようになりました
・持久力を付ける
トレッドミルで傾斜早歩き
・長時間の歩行と火山の歩き方に慣れる
高尾山→陣馬山の12km縦走および那須岳に脇役くんを引っ張り回した
・5日以上の禁酒
高山病予防。これが一番つらかった
ルートについて
富士山には4つのルートがある。
1つは最も人気で初心者向けの富士吉田ルート。
ここの山小屋を当初取ろうとしたけれど、本当に全然予約が無理だったので、山小屋に空きのあった富士宮ルートに決定。
富士宮ルートは最短距離で山頂に着くので、高山病にさえ気をつけてれば楽勝じゃん。そう思っていた時期が私にもありました。
富士宮ルートの下りは膝を殺しにくるともっぱらの評判だったので、帰りは御殿場ルートを選択。
11:53、富士宮口5合目を出発!…雲がすごい(´・ω・`)
登り始めてすぐ、山小屋「雲海荘」があるので高地順応も兼ねて昼ごはん。
ここまでたかだか20分程度しか歩いていないのにすでに汗だくだし、うどんがめちゃくちゃ美味しく感じる…!
実は自分に全然余裕がなく、これ以降の写真をほぼ全く撮っていないのである。無念。
16:20に元祖7合目の山小屋「山口山荘」に到着。
眼下には雲が広がり、遥か遠くに街を望む。
幻想的だ。
幻想的、なんだが、
パトラッシュ、なんだかすごく眠いんだ。
気圧の低さからか、低酸素からか、眠い。本当に眠かった。
ので寝た。
寝ると息が浅くなるので、高山病予防の観点からは本当は良くないらしい。
手足が異様に冷たかったので、シャリバテを起こしていた説まである。
夕ご飯はカレーだった。レトルトだが、十分ありがたい。カレーは飲み物。食べることでようやく体温が回復してきた。
山小屋に泊まるのはこれが初めてで、立って半畳寝て一畳なサイズ感だったが、端っこにスペースを取ってもらった上にパーテーションがあったので全然問題はなかった。
19:00就寝。起きたのは1:30。普段の生活リズムからでは考えられない。
山小屋でもらったパンをもぐもぐしながら星空を見上げる。
富士山の七合目からは星がたくさん見えて、でもiPhoneでは全然映らなかった・・・
あれがデネブアルタイルベガしながら夜空を見つめていたら、流れ星を見つけた。
後ろで「カネカネカネェ・・・」と聞こえたのは低酸素に由来する幻聴ではなかったようだ。
異界じみたところに行こうが所詮我々は俗物なのである。
ところで、みんなしゃっきりもぐもぐしているのに脇役くんが起きてこない。
どうやら頭痛があるらしい。高山病である。
この暗い中では「ちょっと登って無理だったら引き返す」のは大変に困難だと、はにー氏が判断。
高山病は高度を上げるほどに悪化するし、登山では上りよりも下りの方が危険だ。
それを踏まえて、脇役くんは待機を決断。
本当に勇気ある決断だったと思う。私なら地面に転がって駄々を捏ねていた。
2時過ぎ、6人で頂上を目指して出発。
頂上を目指す登山客のヘッドライトが転々と連なる。頭上には満天の星空、遥か彼方の街明かり。現実離れした光景のおかげで、酸素の薄い中登ってもしばらくはつらくなかった。
しばらくは。
このルート、最短ということは勾配が最もきつく、酸素の薄さに順応するための時間も短い。
勾配はきついなんてもんじゃない。もはや一部の区間は岩登り。
わりい・・・やっぱつれえわ・・・
脇役くんは登らない判断で大正解なのである。絶対に体調は悪化していただろうし、安全に帰せる保証がない。
8合目以降、標高が高くなるにつれ、つづら折りを2つ、1つ抜けるごとに小休止を挟むことになる。息は全然整わないし、心臓は爆発しそうだった。
しかも、気温は6度。風は強いし、汗が引くとめちゃくちゃ寒い。
結局、日の出は9合5勺目を少し行った先で見ることになった。
さて、目指すは頂上なのだが、ここからも大変な心臓やぶりが続き、もはや気持ち悪さを覚えるまでであった。
息が苦しくて胸が痛いという経験は初めてだった。心臓には痛覚神経がないはず。どこが痛むんだろうか?
登頂した感想は、「yogiboが欲しい~・・・」であった。1回10分2000円で抱き着けるサービスがあったら売れると思う。マジで。
それから登頂証明書を買うなどし、御鉢周りをすることに。
火山らしく頂上には本当にすり鉢状になっている。
吉田口側の山小屋に寄りつつ、富士山最高峰の剣が峰を目指すプランだったのだが、何せここは標高3,700m、普通に歩くだけで息が切れる。
少しでも上り坂があろうものなら、パーメットスコアが爆上がりである。
せっかくゼーハーしてるし、みんなハンドルネームでぶっちゃけ本名を知らないフォロワーさんもいたので
「後で、教えて。あなたの・・・本当の名前」をやろうとしたのだが、間が悪くてできなかった。ノレアちゃん、可愛いね。
吉田口の山小屋で食べた豚汁と白米250gくらい?1,500円。あったかうまうま、マジで人権でした。
この地点から最高峰剣ヶ峰に行くルートは、御殿場口の下山道まで引き返す道の2倍の距離らしい。
普段なら喜び勇んで行ったのだが、いかんせん少し歩いただけでも息切れするので、私は引き返すことに。
したんだが…2時間くらい滞在していたらその酸素の薄さにも少し慣れてきたのでもったいなかったかもしれない。
パーティーは、引き返し組とお鉢巡り組に分裂した。
御殿場ルートの下り道は長い。とにかくめっちゃ長い。10km強もあるのだ。
そして私は下りがめちゃくちゃ苦手でへたくそだ。全然コースタイムが縮まらない。
8合目付近で御鉢回り組に追いつかれてしまった。
膝の悪かった期間が長く、本能的に自分の脚を信じられないのだ。膝が脱臼する時はいつも下りだった。
恐怖心で身体がこわばる。ウイスキーが欲しい。ひと口飲めば思い切りが良くなれるのに。
さて、7合目まで下ってきた。
ここからは大砂走り。ふかふかの砂に足首まで埋もれて、踵を滑らせながら降りていく。ゲイター(靴カバー)必須。
普段の自分ではありえないようなスピードが出てとても楽しい!
でも私の歩幅では降りるまでに日が暮れてしまうので、後半はほとんど走っていた。
大砂走は約6kmあるそうだが、その間山小屋は一切ない。だって砂利道だし。
いつまで下ればつくのか… pic.twitter.com/tpk075af5l
— にわとり@z900 (@niwatoritoninja) 2023年7月29日
途中から砂が少なくなり、硬い岩場に砂利が敷き詰められたゾーンに入る。駐車場まであと3kmくらい・・・?砂利で踏ん張りが効かないのに、底が硬い。脚が痛い、痛い、痛い……
苦悶の表情を浮かべてじりじりと降りる。
トレイルランの方に、すれ違い様に「大丈夫ですか!?」と声掛けいただく。ごめんなさい、怪我をしたとかそういうわけじゃないので大丈夫です。大丈夫ではないが。
「400m歩いたら休むからね!」と励ましてくれるiwaken氏の声が遠い。
もしかしたら宝永火口沿いに歩いて、富士宮ルートの岩場がきつくないゾーンに復帰した方がよかったのでは?と一瞬後悔した。
ちょくちょく休みつつ、何とか御殿場登山口付近の大石茶屋までゴール。ポカリが死ぬほど美味しかった。
かき氷も食べたかったが、富士宮口に脇役くんを待たせているのでタクシーを呼ぶ。
人生で一番砂埃まみれなので、小屋に置かれたはたきでザックや自分の身体をバッシバシ叩く。文字通り叩くと埃が出る。人間性を具現化しているかのようだ。
運転手さん曰く、今年はコロナ前よりも登山客が多いらしい。そうだよねえ、外国人の方もいっぱい来るようになったもんね。
脇役くんと無事合流後、温泉に行き、解散。
この温泉、モンベル会員は1時間350円で使えるのでとてもよき。
薬湯が致命的なアレルゲンを使っていたので入れなくてしょんぼり、というかうっかり入らなくてよかった、あぶねえ!
最高にビールが美味かった。六根清浄、何だそれは。新富士駅1Fの居酒屋はなかなか地酒が粒ぞろいで気合を感じた。お魚も美味しかった。
圧勝ははにー氏。一番焼けてないのが私の手。ウォータープルーフの日焼け止めを1~2時間ごとに塗っていた。それでもちょっと焼けた。
それで富士山って何なんですか?
めっちゃでかい山でした
少なくとも夏であれば雪を踏む必要はなかったし(この数日後降ったらしいが)、登攀や沢登りなんかもなく、技術的に難しいところは一切ない。でも舐めプはダメだよ。
高山病予防と体力配分、気象が成功を左右するキーかな、という印象。
日本で一番高い山から見下ろす景色はどこまでも見通せて最高。
日本人なら一度は登りたいよね。
山小屋もたくさんあって、賑やかだったなあ。
自由に使えるお金と身体があって、天候にも恵まれて、最高にラッキーだなと思いました。
たくさん励ましてくれたり、助言してくれたり、本当にありがとうございました。
色々反省点もあり、リベンジ案件がたくさん。
脇役くんは次こそは山頂ね。
また遊びましょう!
九州編最終話~旅の終わりは叫び声とともに~
九州最終話。おまたへしました。
3月6日。この日が九州最終日である。安心院を9時に出発。
最終日と言ってもフェリーは23時55分出航なので、丸一日遊べる。
朝一で向かったのは、奥みょうばん山荘。なんと全室貸し切りで550円。ここで朝風呂をキメるのだ。
奥の母屋でご主人に声をかけて、案内していただく。
肝心の温泉はというと・・・
硫黄の湯の花が漂っており、いかにも温泉な香りがするものの、湯あたりするような感じは全くなく、非常にマイルド。ずっと浸かっていられて、「来世は温泉になりたい」と思わせる温泉だった。
これを独り占めできるのが本当に最高。また来よう。リピート決定。
湯上りは母屋でプリンと温泉卵を頂きながら、ご主人から温泉の話を聞く。
ご主人は大阪出身で、温泉が大好きすぎてこの地にDIYで温泉山荘を作ったらしい。
九州からほど遠い草津の話なんかもしてくれた。
余談だが、駐車場からバイクを取りまわすとき、貸切露天にいたオジサンにずっと見られていたのであった。ど平日にデカいバイクに乗ってる女なんか珍しいもんね。去り際に手を振る。
さて、この後はどうしよう。耶馬渓か。うーん。中途半端な時期だな。花粉の多い山間部にはあんまり行きたくないしなあ。
そうだ、この旅でしていないことがあったな。
酒蔵訪問である。
前々日に日本酒Barで飲んだ「豊潤」が美味しかったのを思い出し、他にはどんなラインナップがあるかなーと寄ってみることにした。
ここで春のにごりを買い、配送を手配。
かなり小規模な酒蔵で中の見学などはできなかったが、社員のお兄さんもバイクに乗っているようで話が弾んだ。
別府のお店で飲んで美味しかったと話したら、そこのスタッフさんが酒造りのワークショップ?お手伝い?に来たことがあり、そこでお店に置くようになったとのこと。なるほどそういうことだったか。酒ネットワークを感じる。
ここでいい時間になったのでお昼を食べることにする。
フォロワーさんに教えてもらった「しゅうちゃんラーメン」が近いので、そこにした。
大分の北の方にあり、ここ通るかなー・・・?と思っていたのだが、まあ、普通に通過ポイントになってたよね。
休日はすぐに売り切れてしまうラーメンとのことで、期待が高まる。
麺の硬さを指定すること数分、すぐに着丼。
異様に美味い。うますぎる。力強い豚骨ラーメンである。
卓上のニンニクをすりおろすことで、このラーメンは完成する。
どうせ日がな一日ヘルメットをかぶっているので、躊躇なくニンニクを食べられるのもバイク旅の良いところだなあ、などと思う。
良いもの教えていただき、ありがとうございました。
余談だが、食べ終わって一服しているときにこんなツイートを見つけて。
https://twitter.com/North_ern2/status/1632577337232601088?s=20
何だこれはどこだよとゲラゲラ笑っていたら、自分がいた場所のほんのすぐ近くだとフォロワーさんに教えていただいたのだが、リプをもらっていたときには既に次の目的地に向かってしまっていたのである。
せめて立ち寄ったコンビニでリプチェックしていれば寄れたのに。悔しすぎる。リベンジ案件である。
九州最後の目的地は千仏鍾乳洞。鍾乳洞大好き。冒険感があるのでね。
なんといってもこの鍾乳洞の中には、
巨乳と
初音乳がある。
洞窟の中は湧き水でかなり靴が濡れるので、入り口でクロックスを借りる。
ある一定のエリアまでは普通に行けるのだが、10分くらい進むとそれ以上は足を湧き水に浸さないと進めない。
水温は、体感で吟醸酒を飲むには少し高め、なので13℃前後といったところか。
バッグにはGoPRO、iPhoneなどの水没厳禁電子機器の数々。内部は石灰岩で滑りやすい。旅も終盤で疲れと気のゆるみが出てきているころだ。ここはおとなしく
行くに決まっているよなあ???
ザブザブ、ザブザブ、足で水をかき分けて進む。これが結構楽しい。
初音乳はピンク色に妖しくライトアップされていた。
さらに10分ほど歩いたところで行き止まり。
ここから先は行けなくはなさそうだが、装備が無いのでさすがに引き返した。
鍾乳洞は探検気分を掻き立てられるとともに、暗くて狭いところに閉じ込められることに対する原初的な恐怖を味わえるので、なかなか楽しかった。
カルスト地形を走るのも何気に初めてだったので、そこも楽しめた。車載動画、上手く撮れているといいなあ。
ちなみに足首のみならず普通にひざ下までがっつり濡れた。冷たくて真っ赤になってるし。晴れの日にわざわざびしょ濡れになる馬鹿がいたらしい。
そして、上からもぽたぽた滴ってくる上に汗もかくし、いちいちそれを拭うので、描いた眉毛は全部消えた。
鍾乳洞を出た時点で16時過ぎだったので、新門司港方面に向かう。
欲しいクラフトビールもあるしね。
帰宅後に飲んだらめっちゃ美味しかった。小倉はリトル東京で、本当に運転が大変だったのだが、それを押して買いに行った甲斐があった。また飲みたいので入手しやすくなってほしい。
門司港に移動。駅前にバイクを置く。
このお店ではただでさえスパイスのかかっている焼きカレーに追いスパイスをかけることができる。
とろーりハフハフの焼きカレー、旅の締めくくりにふさわしく、とても美味しかった。
というか門司って一大観光地だったのね・・・。
全然知らなかったので、遅い時間に行ったらもうほとんどのお店がやっていなかった。残念。ここでお土産とか買えたじゃん・・・。
キラキラの観光地を、ひとりうろつく。眉毛を失ったすっぴん顔のまま。
門司港、建物は希少だし普通におしゃれで楽しそうな街だったので次は普通に観光したい。
まだ集合まで時間があったので、空港のライトアップを見に行こうとも思ったが、もう普通に疲れてしまっていたのでおとなしく乗船手続きを済ませた。
フェリーの中では体を休めつつブログの草稿を書いたりするなど、楽しく過ごしていた。
これで、旅が無事に終わる。ただいま関東。サンキュー九州。
・・・そう思っていた。
事件は下船時に起きた。
船内には、他にも降りるバイクが10台ほどいた。春休みだからね。おいでませ関東。
そんなことを思いながら、背後で数台待機しているバイクがある程度動いてからFazerを取りまわそうとしていた。その時だ。
バイクが、ガタリと、何らかの力で後ろに動いた。
「アァァァァアァッッッ!!!」
恐怖のあまり叫び声が出た。それも空しくエンジン音にかき消された(船頭なのでエンジンが近い)。
フェリーのバイク駐車スペースには、鎖を固定するための突起が床上にいくつも設置されている。どうやらそれを乗り越えたらしい。
慌ててあたりを見回すと、右後方にオジサン。取り回しを手伝ってくれたらしい。気持ちは嬉しいが、せめて声をかけてくれ。いやかけたのかもしれないけど、聞こえないよ!
頼む。これ以上動かさないでくれ。下手すると真後ろのカブにぶつかる。
エンジン音に負けないありったけのキンキン声で、叫ぶ。
「カブに!!ぶつかるッ!!この人たち降りてからゆっくり取り回すんで!!大丈夫!!かえって危ないんで!!どうもね!!離して大丈夫です!!離しっ・・・離せえええええ」
声が枯れた。恐怖で水分が全部蒸発して、めっちゃ喉が渇いた。横須賀から大体磯子あたりまでドキドキドキドキしていた。ちなみにこれを書いている手も思い出し恐怖で冷たくなっている。
・・・最後の最後で締まらないのである。
ともあれ無事に帰ることはできた。
今度はB級スポット大好きな配偶者を連れて大分のラクテンチに行きたいし、今回悪天候で回れなかった長崎、それから天草の海沿いや最南端の佐多岬にも再チャレンジするつもりだ。
動画になるのはいつのことやら。気長に待っていてくださると嬉しい。
おんせん県大分、メシウマ天国大分。
タイトルの通り、大分で散々うまいものを食べ散らかしてきた話がメイン。
ネコチャンたちを愛でた後は、お楽しみ、地酒とご飯のターン。
初めに踏み入れたのはBeppu Sake Stand 巡。
閉まる時間が少し早めなので、暖機運転を兼ねて。
こちらは九州のフォロワーさんに教えていただいたお店。
さっそく大分のお酒「ちえびじん」から始めていく。
杜氏さんが大のワイン好きで、ワインのように牡蠣に合うお酒を目指したのだとか。
でもシャブリ(牡蠣に合うフランスの辛口白ワイン)のような酸味はなく、むしろ甘くて華やかな印象だった。
日本の牡蠣は味が濃いと言われるので(筆者は牡蠣が苦手なので伝聞系)、これでいいのかもしれない。
続いて地酒「豊潤」を頂く。なかなか流通量が少なく、都内では見たことがない。
にごりらしいふわりと甘い香りがするが、後味はとてもキレがよい。白身魚のしゃぶしゃぶが欲しくなる逸品。
できればお土産に買いたくなった一本。
閉店も近いということで、2軒目に移動。選んだのはろばた仁。
お魚食べたいけど一人じゃ食べきれない・・・そうだ!りゅうきゅうを食べよう!
甘辛い味付けで焼酎が進むことこの上ない。
ハイパーロースティーな「特蒸泰明」と
樽で熟成された「琥珀のすずめ」をそれぞれロックで!
そして、走りまくってお腹が空いたので2~3人前のとり天とりゅうきゅう茶漬けをぺろり。
さてさてお腹も膨れたし、締めに行くとしましょう。
地元の方にも旅行者にも愛される素敵なバー。
おしゃべりが弾む。すっかり酔っ払いになってしまった。
お酒の種類も豊富だし、フレッシュカクテルがめちゃくちゃ美味しかった。
前回の記事では「自分の好きを自分で見つける」のを楽しみとしていることを書いたが、別府においては行程のほとんどを人のブログなどを参考にして組んだ。
よく遊んでくれるイかれたお姉さん(褒め言葉)の別府愛溢れるブログを是非読んでほしい。
温泉、アート、食、遊園地。何度でも別府・大分を遊びつくそう - 盛り場放浪記 (hatenablog.com)
それでもかなり楽しめたし、自分なりの発見があったと思う。
「人が良いと言うものが自分も好きだと分かった、それも大きな収穫じゃないか」と思えた夜だった。
3月5日。この日はがっつり観光することを決めていた。
走らない日に限ってピカピカの晴れ空である。
新玉旅館で朝風呂をキメて・・・
海地獄を見物!
まるでチャイナ・ブルーのような美しい青色をしているが、硫酸鉄や硫酸銅の作用だ。
飲めるもんなら飲んでみろ。
続いて、900年くらい前に開湯された歴史がある鉄輪温泉に移動。
ここは、地熱で蒸された石室に「石菖」と呼ばれる草を敷き、10分間蒸されるという独特な蒸し風呂がある。
効果のほどはというと・・・
めっちゃととのう。
敷き詰められた石菖には健胃・鎮痛効果があるらしい。前日の暴飲暴食で疲れた消化器が回復し、むくんだ手足が楽になった。
もちろん温泉もあり、蒸された後はお湯に浸かって液状になることができる。
前から気になっていたミュージアムが徒歩圏内にあったので、立ち寄る。
地獄温泉ミュージアム。体感型施設で、雨水がどのように温泉になっていくか、別府の歴史なども交えながら解説されている。
確かに一口に別府と言ってもその泉質は多種多様で、新玉旅館の温泉が炭酸水素塩を含む一方、鉄輪温泉は硫黄の香りを帯びた塩化物泉、明礬まで行けば湯の花が浮きまくりの硫黄泉なのだ。
狭い範囲で泉質があまりにも多様なのが不思議だったのだが、ミュージアムを体験して、納得した。
企画展では、芸術祭「in Beppu」で服飾デザイナーの廣川玉枝氏がまつりを創造したときの衣装などを展示。
大地のエネルギーや雨を、異界から訪れる神「マレビト」がもたらすものとして表現。
そうか、私が普段降られている雨水もやがては温泉、或いはお酒の仕込み水になる・・・私、もう雨をもたらす客人(まれびと)で良い・・・わけあるか!
ミュージアムを出て梯子湯をしようにも蒸し湯の成分が強すぎて湯あたりしそうだったのでそれは断念。
ちょうどお昼だし、名物の地獄蒸しを・・・地獄・・・蒸しを・・・
浦安ねずみ園じゃないんだぞ。恐るべし日曜の温泉街。
さすがにここまでは待てなかったので、次の目的地に向かうことにした。
そうだ、鉄輪温泉は本当に温泉街らしい温泉街で、何が言いたいかというと、細くて急な坂道を行く必要があるので、バイクや車で行かれる方はすごく注意されたし。
おそらく正攻法は、別府の市街からバスに乗ることだと思う。
鉄輪温泉でご飯を食べそびれてしまった哀れな食いしん坊は、安心院ワイン併設のレストラン、「ワイナリーレストラン 朝霧の庄」を目指すのであった。
前日の1.5車線の道とは打って変わってとても走りやすく楽しいワインディングの続く道だった。なんだったんだ・・・あの道は・・・
この日の最終目的地は「安心院葡萄酒工房」。親しみを込めてあんしんいんと読まずにあじむと読もう。
安心院のワインは、約7年ほど前に豊洲で開催されていた「日本ワイン祭」でロゼスパークを頂いて惚れてしまったのである。来るのが遅くなっちゃった・・・
ホテルAZ安心院にバイクを停め、荷物を預けて坂道を歩くこと10分ほどで到着。
ちなみに、付近の街からのバスなども特に出ていないので、一人で行って飲みたいならこの方法しかない。
安心院はガチのマジでほぼ何もないのだが、AZ安心院は温泉もジョイフルも温野菜も併設なので、特に不便に感じることはなかった。
朝霧の庄はワイナリーレストランでありながらホルモンラーメンをイチオシにしているのが面白かった。
ふうん、安心院ってすっぽんの養殖もしてるんだ。
しかしホルモンは苦手&すっぽんの気分ではなかったので、自家製ハムのナポリタンを注文。アツアツうまうまである。
ところですっぽんに合うワインって何だろうか。ボディがしっかりしていて少し酸味がある白がいいかもしれない。サンセールとかだろうか?いいアイデアがあったら教えてほしい。
さあ、ここからはお待ちかね、お楽しみ・・・
テイスティングタイムだ。
受付で1,000円を払うと、私の大大大好きなロゼスパークをこんなに注いでいただき・・・
スピリッツも含めて21種類、ワインが詰まった夢のサーバーで一人ワインフェスを開催することができる。
この夢のサーバーは、よくある推すと一定量が出るものではなくて、押したら押しただけ出てくるタイプのサーバーである。
いいんですか、1,000円でいいんですか。
ただし、1種類1度だけが条件。それから、自分の飲める量をわきまえて飲みすぎないのも当たり前だよなあ?
サーバーに添えられたテイスティングコメントもわかりやすい。
21種類すべてコンプリート!
シャルドネのリザーブや「イモリ谷」はシャルドネの良いところを上品にすべて引き出している感じがした。赤ワインは甘草のフレーバーが強い子が多かったかな。
自分でも意外だったのが、酒精強化ワインを気に入ったこと。複雑な甘みがあってすごく美味しかった。
17時の閉園までワイナリーを散策。
ワイン熟成庫が見られるトンネルの中には非常に希少なグラスのコレクションがあった。壮麗。
美しき農村という言葉がぴったりである。
この日の観光はこれで終了。宿併設の「安心院温泉」に入って夜をゆっくり過ごす。
思えば、温泉に入ってぼーっとするということをこの日までやっていなかった。
好奇心が勝って、結構予定を詰め込んでいたのである。
自分の好きなもののために魂を燃やすがごとく走ったかと思えば、農村風景を見ながらぼーっとする日があるのはなかなかメリハリがあってよろしい。
余談だが、この日はライジャケが邪魔になってしまうほど暖かかったのに、翌日バイクに霜が張り付いているのを見てひとりにちゃにちゃ笑っていた。
なぜなら、朝晩の寒暖差が大きいのはブドウにとって非常に良い環境であるからだ。
このテロワールが美味しいワイン造りに一役買っているのだろう。
ライダーの下半身は冷え切ったが。
そういえば、安心院ワインは付近からブドウを買っているのかと思ったら、その敷地は広大なブドウ園であった。
もちろん生産量から言ってそのすべてを自社ブドウで賄っているわけではないと思うが、ブドウからワイン造りをしている「ドメーヌ」でもあることがわかったのも現地まで足を運んだ収穫だと思った。
次回、秘湯に突撃して酒買いに行って洞窟でずぶ濡れになってキラキラデートスポットを眉毛なしで歩き回った最終話。
焼酎飲んで雨に降られて猫たちに遊んでもらった話
皆さんは、旅の醍醐味を何と心得えるだろうか。
歴史的建造物の実物を見ること、温泉やグルメの体験、地元の方々とのふれあい、人の数だけそれはあることだろう。
私の場合は「前情報なしに、現地で自分で選んだものが美味しかった・楽しかった」という体験であり、人から事前に受け取った情報を全てだと思いたくない、という節がある。
「自分の好きは、自分で見つけたい」というところであろうか。
ただし、それをやり過ぎると下手したら何も見つけられず、ハイパーつまらない旅になってしまうので塩梅が難しい。
3月3日の夜、霧島にチェックイン。
宿は隼人駅が最寄りだったが、JRで国分駅へ移動。国分が霧島市の歓楽街になっているようである。
居酒屋が軒を連ねる中、「芋っこ」という居酒屋に突撃。芋焼酎が飲みたい。完全に名前で選んだ。
オーダーすると手酌でどうぞ、と氷のバケツとグラス、ボトルを渡される。これで500円。大丈夫か。採算は取れるのか。飲んじゃうぞ。
南九州の名物である鳥刺しや、黒豚ミンチの肉じゃがを堪能。どれもお酒にすごく合う。
人のいい女将さんやドリンクをサーブしてくれるお嬢さん、カウンターにいる地元のおじさまに、「地元は?どこから来たの?」「学生さん?」「お酒好きなの?」など聞かれ、おしゃべりに花が咲く。
恰好がカジュアルで薄化粧なせいか、旅先で20歳過ぎに見られることが多いが30歳なのである。なんかごめんなさい。
伊佐美というのを飲んだ。ワンランク上の焼酎、らしい。
だいやめとは正反対の方向性で、かなり伝統的な芋焼酎の味がする。ただ、甘辛い鹿児島の味付けにめちゃくちゃ合う。
〆にうどんをリクエストしたところ、「東京からの客には珍しかろう」と、さつま揚げを乗せてくれた。
練り物はどうも魚肉臭くて好きではないのだが、一口かじるとこれがほんのり甘くて美味しい。今まで食べていた練り物は何だったのだろうか。
食わず嫌いで人生における重大な損失を被るところだった。これをトゥルー・さつま揚げと呼ぶことにしよう。トゥルー・さつま揚げはとても良いものだ。
この夜は良い居酒屋さんに行くことができて、大変嬉しかった。好きの発見、大成功である。
翌3月4日。
この日は阿蘇を走ると決めていた。
阿蘇方面は、降水確率は0%であるものの曇り。鹿児島は昼から雨。
霧島から高速に乗り、再び熊本方面へ。
お昼はもちろん、かの有名店「いまきん食堂」・・・は土曜で2時間待ちだったので(泣いた)、向かいの「やまいち」へ。
ここはもともと漬物屋さんなんだそうで、漬物食べ放題をやっていた。
そうそうこれこれ、このために焼酎飲んだ翌朝から190kmくらい走ったんだよ。文字に起こしてみると何というか妖怪だな。
お肉は柔らかく、旨味が凝縮されていて、最高に美味しかった。
ミルクロードを走って大観峰に向かったのだが、阿蘇は何というか黄色と黒の謎山になっていた・・・そしてどん曇りである。
この翌日にミルクロードは野焼きのために通行禁止になるところだったらしい。ギリギリセーフである。
天候や風景はともかくとして、とても楽しい道であったので、今度は緑麗しい時期に走りに行きたい。
ここで念のため雨雲レーダーを見てみると
うっそ。雨降らないって言ったじゃん。
囲まれてしまった。これではどこに抜けるにも雨が避けられない。
ソフトクリームを食べながらやり過ごそう・・・
さて、雨雲は流れたかな?
雨 雲 、成 長 し ま し た 。
腹をくくって別府方面に出発。
道中は雨が小降りで、気温は8度。普通に寒い。
しかも今市の方にさびれたカオスが少しばかりあるばかりで、50kmほどほぼ全く文明が無く、「ほんとにこっちで合ってる!?」という1.5車線の道を通らされたりして、ちょっとつらかった。
ところでこの旅では急激な天候の荒れなどに備えて、当日に宿をとることがほとんどだったのであるが、さすが土曜日の別府は空きが中々なかった。
そんな中で、非常に興味深い宿を見つけたのである。
猫の宿、新玉旅館さん。
源泉かけ流しの家族風呂を3据え持つ旅館でありながら、保護猫のシェルターも兼ねている。
1泊素泊まり9,000円。60分のふれあいタイム付き。
ただし、ふれあいタイムには「外のものが付着していない長袖長ズボンと靴下、インナー」が必須であり、
「引っかかれないようにするならライディングパンツで良いかな?」などと思っていたらNGだったのでスウェットを貸してくださった(すみません)。
それ以外の衣類は霧島で洗濯したてのものばかりだったのでセーフ。
荷物を置くと、先客のふれあいタイムが終わるまでしばし待機するように伝えられる。
投宿即猫。
里親募集中の子たちの部屋と、終生このシェルターで暮らす猫たちの部屋のどちらかを選ぶ形だったので、後者にした。
看板猫日本一になった「おもち」くんがいるらしい。
なお、猫部屋はいずれも24時間Youtubeで中継されている。ネコチャン可愛さにIQ3くらいになった猫おばさんが全世界にさらされることになったわけだ。
猫部屋の奥に腰を下ろすと、猫たちが登ってくる。そのように躾けているらしく(どうやって!?)、みんな人懐こい。子猫もいる。
大変貴重なご飯タイムでは、みんな大騒ぎである。
自宅に元保護猫が2匹おり、2年前には野良猫の捕獲と去勢・避妊を行った身としては、遠く別府の地でもこのような活動があるのだなあと感慨深かった。
もちろん別府の夜はこれだけにとどまらない。ボリュームが大きくなりそうなので次回にまとめます。
次回は酒とデトックスと酒って感じのお話!
花粉と灰とチェストと私
3月2日。冷たく強い風が吹いており、とにかく移動するのに疲れる日だった。
本当は天草をこう移動したかったのだけど、
上天草(画像右上端)で時間が無いことに気づき、断念。
現地のフォロワーさんに鹿児島市の居酒屋を予約いただいており、18時には市内に入っていないといけなかったのだ。
折しも九州行きを決めた頃から「薩摩ホグワーツ」なる概念が広まっており、
勇猛な薩摩隼人にチェストされてはひとたまりもないため、遅刻は何としても避けたかったのだ。
観光らしい観光は、途中で寄った道の駅くらいなものか。
でっかい晩白柚が売られていたり(食用であることを初めて知った)、球磨焼酎のミニボトルが売られていたり。
「酒を積んだFazerは絶対に転倒しない」という逆ジンクスがあり、お守りとして3本買ってこの旅行中ずっと持ち歩いていた。
お昼ご飯はとんかつとだご汁(すいとん的な汁物)。
ツーリング中は普段の倍くらい食べないともたない。
とんかつは柔らかく、だご汁の団子にはイグサが練りこまれており、中々独特で美味だった。
さらに南下すること1時間強、阿久根の下道を走っていたら、海がとてもきれいで感動した。ツーリングっぽい。
さて、待ち合わせまでの道中で温泉にでも入ろうか。ここなんか良いんじゃないかな。
【公式】湯之元温泉 元湯・打込湯 – 2種類のお湯が楽しめる温泉(大人200円 小学生以下無料) (yunomotoonsen.com)
なんと、通り過ごす痛恨のミス。入りたかったなあ・・・。
どうにか温泉に入れないかと調べると、鹿児島市内のあちこちで温泉がこんこんと湧いており、銭湯として地元の方に長く愛されているらしい。
坂の多い鹿児島市街ながら、大型バイクでも比較的アクセスが容易だった新川温泉さんにお邪魔する。
かなりローカルな温泉で、タオルのレンタルなどは特にない。
ひねくれているので、「こんな旅行者が地元の温泉を荒らしてすみませんすみません」と肩身の狭い思いをしながら温泉に入るのが趣味であったりする。最高だ。
塩化物泉であり、15分程度浸かっただけだったが、一日中強風の中を走って疲れた肉体から疲れが一気に抜けるのを感じた。肌もツルツルである。
床には成分の結晶が層を成していた。
こんなに質のいい温泉がおいそれと湧いていて、鹿児島市民はそれが日常の一部となっているのか、何たることかと独りキレ散らかしていた(何に?)
19時、無事に居酒屋にて合流。かなり地元のお店なので、店名は伏せる。
串ものをリクエストしたのだが、そのすべてが何とも美味だった。
2杯目に頼んだお酒は長崎の日本酒「よこやま7超辛」。九州の日本酒は甘くフルーティーなものが多い印象だが、この酒はその中では淡麗でキレが良いタイプだった。
それから、好みを伝えたら出してくださった「だいやめ」。
ライチのような香りが大変すばらしいが、芋焼酎である。
これは買います。買いです。私、おうちでも幸せになりたい。
〆は自慢の鳥スープを使ったミニラーメン。とっても美味しい。
実はこのお店は鶏鍋がメインなのである。次お邪魔するときは鍋も食べたい。
愉快なフォロワーさん2人からたくさんのお土産を頂き、そのうち絵師の方からは色紙まで頂いた。感謝の極みである。
翌3月3日。
昨日飲んでいた方とはまた別のフォロワーさんと待ち合わせをし、桜島フェリーに乗る。
到着までのたった15分の間に食べなくてはならないうどんがあることで有名だ。
でもバイクは一番先にのせてくれる上に、乗船からすぐにオーダーしたので、果たしてRTAは成功したのである。
テーブルに妙に存在感を放つ何かがいた。リキニョンというゆるキャラだそうだ。愛嬌があって可愛い。こういうキャラ好き。
桜島フェリーは小型船であることもあり、かなり速い。
無事到着したのだが、一つ問題が発生。
鹿児島の元気な花粉に当てられ、花粉症が大爆発。
更に、花粉症をお持ちの諸氏なら共感いただけるだろうが、一度花粉症がフィーバーを始めると、あらゆる粉塵に対して身体が過敏に反応するようになる。
桜島はご存知の通り活火山で、現在進行形でこちらも元気に灰をぶん撒いている。
かくして粘膜がチェストされ、服薬していても私の眼は真っ赤、鼻水と涙で顔面は汁まみれになってしまったのである・・・。
そんな中でも桜島を走る。心地よいワインディングの続く楽しい道だ。
有名な埋没鳥居もばっちり拝見した。
埋没鳥居の隣には、地元の中学生が考えた川柳が掲示されていたのだが、
「埋まってる 鳥居眺め ハイテンション」
すげー!鳥居マジで埋まってんじゃん!ひゃっほおおおう!!
とはならないんだな、大人は。残念ながら。顔面汁まみれだしなあ。あの頃の元気を分けてほしい。
続いて大隅半島に移動し、アレルギー目薬を買いつつ昨日色紙をくださったフォロワーさんと合流。ぬめぬめのGSRだ。この3名で、最南端の佐多岬を目指す。
お昼には鹿児島名産のカンパチに舌鼓を打ち(これで1,300円はやばい)
人懐こいネコチャンを揉んだり
影絵の飾られたビーチを見物したり
ガソリンスタンドのイッヌを愛でたり
などしていたら、時間が無くなってしまった。
天草に加え、最南端もリベンジ案件である。
この日は滝を見て、ソフトクリームを食べ、ツーリング終了。私は霧島市内へ。
実は色々アクシデントが発生して心がチェストされてしまっていたのだが、同行のフォロワーさんにかなり助けていただいて何とか無事に霧島に着くことができたのだった。
お2人とも、いろいろサポートいただき本当にありがとうございました。
また遊びましょうね!!!
次回
焼酎の神に愛され、赤牛もぐもぐ、そして雨。約束の地は猫天国。そんな話。
雨の博多と魚と酒と
3月1日。
朝荷物をまとめ、和代から博多までおよそ10km移動。
本日のツーリング、終了!
なぜならこの日は昼から雨の予報となっていて、さすがに事前にわかっている降雨に突っ込むほどの覚悟はなかったからである。
もし雨が降っていなければ、生月島を走り、ペンギン水族館などを見つつ、伊万里市辺りに宿を取り、その翌日は比較的まったりと南下するつもりだった。
宿の方の厚意で荷物とバイクを置かせていただき、いざ博多観光に出発・・・の前に。
割れてしまったGoProレンズカバーのスペアを買い求めにヨドバシカメラ博多店に走るのであった。
だが、私の使っている機種は旧く(Hero5)、さすがに在庫はなかったようである。
さあ。ここで現行機種を買うか(7万くらい吹っ飛ぶ)、この旅の撮影は諦めるか。
と悩んでいたら、フォロワーさんが「Amazonでポチって現地のコンビニ受け取りにすればいい」とのアドバイスをくださった。
それくらい自分で考えろよな。
ということで、レンズカバーは2日後、霧島のコンビニに届くらしい。
心を落ち着けて、たどり着いたのはマリンワールド海の中道。
水流の激しい玄界灘の環境を再現した水槽は見事なもので、でっぷりとよく肥えたクエがいた。
私は水族館が大好きである。地域色が出ており、見ていて楽しい。
ヒオウギガイがいたり。(関東ではほぼ見ない)
この日は、幼稚園の遠足があったらしく、元気な子供たちがたくさん来ていた。
その隣で、平日の真昼間から「さけのむ」パーカーを着て、アオリイカをキラキラとしたまなざしで見つめる30歳の女がいた。
どうか、こんな大人にはならないでほしいと、願わずにはいられなかった。
ここでは日本で4頭しか飼育されていないラッコのうち1頭が展示されている。ぽやっとした顔がなんとも可愛らしい。
最後に海獣のショーを見て観覧終了。クジラらしい見た目のクジラがショーに出ているのは初めて見た。
アシカやイルカたちは従順に命令に従い、何通りもの芸をこなし、褒美の魚をもらう。
それで満足しているだろうに、十分な報酬をもらっているにもかかわらず、状況に不満を持ち転職するなど一体何事であろうかと、果たして私の生き方はイルカ未満ではなかろうかと、何やらネガティブなことを考え始めたが、ここまでくると社畜も筋金入りである。
その後は電車で博多市内に戻り、お待ちかね、飲酒タイムである。
明るいうちからの飲酒は最高、とはいえ外は豪雨と化しており、かなり暗かった。
1mm/hの予報であったが、実際は18時半の時点で16mm/d降っており、つまり3mm/hほど降っている計算になる。これは予想外だった。
現地のフォロワーさんと合流し、福岡のお酒にフォーカスした日本酒バー、「福蔵」に行く。
お店を教えていただいたのは、付近に在住の方。
最初に飲んだのは「博多の森 初しぼり」。フレッシュ&フルーティーで自分好みだった。
2杯目、3杯目に「繁枡 特別純米 生々」「博多百年蔵 しぼりたて純米酒」を頂く。
繁枡は旨味が強く食中酒向き、
博多百年蔵はフルーティーな香りとしっかりとした風味がありながらも後味にキレがあり、大変美味しかった。
女将さんがすごくノリのいい方で、「しまった!酒米ハンドブックを持ってくればよかった!」と頭を抱えていたら、すかさず店に置いていたものを貸してくださった。
福岡は、酒米の定番「山田錦」の生産量が全国4位らしい。前までは3位だったが、獺祭パワーで山口が食い込み、4位になったのだとか。
福岡、自分が思っていた以上に酒どころである。開拓したい。
ここでクラフトビールの立ち飲みバー「ビアキチ」に河岸を変える。せっかくなので福岡のクラフトビールも飲みたい。
天草ソナーとバーのコラボ製品もあったので、チョコレートスタウトも飲む。これは飲むスイーツ!おいしい。
最後に鳥取のIPA。見たことのないビールをたくさん飲めて楽しかった。
ここで仏のような現地のフォロワーさんからサブ機のGoProを貸していただく運びとなり、仕事帰りにお越しいただいた。本当にありがとうございます。
フォロワーさん2名と一緒に豚骨ラーメンで〆。豚骨ラーメンには泡立ってる系とそうでないものがあるらしいが、塩分と炭水化物に飢えた酔っぱらいは特に深く考えることもなく旨い旨いと食べてしまったのである。
クレイジー博多ナイトはここで終了。
本当にありがとうございました。
翌日は風速10m/秒の中熊本まで高速を駆け抜ける羽目になった。
吹き荒れている、というほどではないのだが、常に大きな川の上の橋を渡っているような体感で、不定期に体が持っていかれる風に吹かれながらバランスを取り続けるのはなかなかつらい。
バイクという乗り物は、雨が降っていても乗れないことはないのだが、風にはもっぱら弱いのだ。
ということで70km/hほどでのろのろ進んでいった結果、時間オーバーで天草には寄れなくなってしまった。
リベンジ案件である。
次回更新は、博多→熊本→鹿児島のグダグダ道中と鳥肉パーティー、それから花粉と灰で顔面汁まみれになりながら桜島を走った話。
九州旅行記 初日編
2月27日、午後9時半。
22時45分集合の横須賀発 新門司着のフェリーに乗るべく、高速道路を走っていた。
今日で私の職務は本格的に手を離れ、晴れて次の仕事が始まるまで自由の身となった。
ところで私の自宅は都内にあり、したがってこの時間に出れば集合時間には余裕で着く
はずだった。
大黒JCTで迷い、神奈川入りしてからは横風にあおられ、さらに横須賀の町で迷いに迷い、30分以上をロスト。
果たして私は、遅刻してしまったのであった。
なぜ自宅から100km圏内で冒険をしているのか。
ところで横須賀の町は、タトゥー屋があるかと思えば対岸にドヤがあるなどして、そこはかとなく歴史を感じた。
船に何とか乗ってからすることは1つに決まっている。
祝杯だ。
なんだかビールではなく甘いものの気分だったので、檸檬堂をチョイス。
おつまみはじゃがりこチーズ味。
夜景をバックに、乾杯である。
こんなにうまい檸檬堂がかつてあっただろうか。
変な替え歌まで作ってご機嫌である。
車載主の親(鹿児島)に会うために
— しゃるどね@九州に急襲 (@Chardonnay_bike) 2023年2月27日
今ひとりフェリーに乗ったの
締切迫るお仕事や 社畜の明かり
横目で追い越して pic.twitter.com/1adUaBKaiQ
その後は風呂に入るでもなく(飲んだら入るなって書いてあった)、倒れこむようにして就寝。
ちなみに今回取ったのは「ツーリストA」なのだが
カギはなく、ベッドは板のように硬く、ロールスクリーンがあるのみで荷物も置けない。
おかげで船中のどこに行くにもSurfaceを携行する羽目になった。次からはケチらずにSを取ろうと思う。
翌日の起床は11時半である。
さすがに寝すぎた。でも疲れていたので仕方ない。
よく考えると、花粉症を抑えるために飲んでいる薬が合わないのか、めちゃくちゃな倦怠感と眠気があった。
のそのそと食堂に行ってはうどんを食べ、「そういえば売店もスナック菓子ばかりでタンパク質が無いなあ」などとわがままを抜かす。
その後はKindleで読書をし、思うがままにダラダラ過ごしたかと思えば船内のトレッドミルでやにわに4kmほど走ってみたりした。安全対策のためか、8km/hしか出なかったので少しダレてしまった。
当たり前のことだけれど、前に走っているのに窓の景色は横に流れていくのでちょっと面白い。
その後は夕日を見ながら入浴など。この船には露天風呂とサウナがあったのだ。嗚呼素晴らしき哉ストリーキング。ととのいを感じる。
マナー上、写真はない。
夕飯は佐世保レモンステーキとやらを注文した。お待ちかねのタンパク質である。
普段フェリー飯でお金を使うような性分ではないのだが、旅行クーポンが降って湧いたので思いっきり使わせていただいた。
味は普通にうまい。
ところで今回乗った東京九州フェリーはやれゲロ船だ何だという噂があったが、仙台→苫小牧フェリーよりも揺れは少なかったように思う。黒潮の時期は知らない。
ジョギングでベッタベタになった服を洗濯機から回収し、早々に荷物をまとめてロビーへ。そして案内がかかり、いざ出陣・・・
しようとしたら、なんと車両甲板の床の突起物に足を取られ、すっころんでしまったのである。
手にはGoProなどを持っており、思いっきりぶちまけてしまった。情けないことこの上ない。
春休みの大学生だろうか、Z900に乗っているお兄さんが拾うのを手伝ってくれた。
降りるまでバイクのことなどを少し雑談。Fazerのことを知っていてくれてうれしい。
そうして下船した矢先、前を走る人が駐車場の逆走レーンに突入。
「いやいやトラックもバンバン通るのにこれはまずいだろう」ということで、Uターンをしたのはいいものの、
正 し い 順 路 が わ か ら な い
一か八か突っ込んだところはどうやら立ち入ってはいけないところだったらしい。
「お客様ァ!お客様ァァァ!!!」と叫びながら、係員さんがすっ飛んできた。あー困りますお客様!ごめんなさい。車道はどっちですか。
さらにそこには件の好青年もいた。どうやら船をバックに愛車を撮影したかったようだ。
旅先でやべー奴に遭ってしまったと思ったことだろう。
というか、私、このポンコツっぷりで今までどうやって生きてきたのだろうか。本人ですら客観視すると不安になってくる。
その後は無事に宿にチェックイン。先程の恥で糖分を消費しきってしまったのだろうか、空腹感が半端なものではなかったので併設の資さんうどんになだれ込む。ファースト資さんうどんである。
もう22時半だというのに、お客さんがどんどん入ってくる。福岡はなんと宵っ張りな街なのだろうか。物流の拠点が近いからだろうか。
かしわうどんを注文。甘く煮込まれた鶏肉が入っているスタイルが珍しく感じる。ほんのり甘い出汁も関東では口にできないものだ。
この日は何も飲まずに終了。明日明後日と飲みまくる予定なので、肝臓を休めておこうという算段だ。
で、割れた。GoProのレンズカバーが。多分甲板に落とした時。
ポンコツ車載主の明日はどっちだ。