長らく放置していたブログを書く。
3月の旅の話。
雪見温泉、したくない?
この藤三旅館、何がすごいかというと、温泉が足下湧出なのである。え、温泉って地中から、つまり足元から湧き出るもんじゃないの?何がすごいの?と思うかもしれない。
通常の温泉は、地下に湧くものをポンプで組み上げたり、草津の湯畑のように、源泉を地表にさらしてから樋で各旅館に分配、湯船に流すことが一般的で、湯量が足りない場合は加水、温度が低い場合は加温などもされていることが多い。
しかし、この藤三旅館の白猿の湯は、湯船の底から直接温泉が湧いている。
何が良いかというと、鮮度だ。温泉は、空気に触れた瞬間から酸化する。成分が変質する。だから、最もフレッシュな状態の温泉に贅沢にもドボンと浸かることができるという点で足元湧出泉は誠にプレシャス、温泉ファン垂涎の湯船、というわけだ。
余談だが私は温泉ソムリエを持っている。と言ったら、女湯をゴクゴク飲んでどんな誰が浸かっていたか当てることのできる変態扱いされてしまったことがあるのだが、
これは誰でも取れる民間資格だ。確か2〜3万と1日かかるが、もらえるテキストの充実度も高いし、何より知識が増えるとより温泉を楽しめる。温泉ソムリエは良いぞ。
というわけで、10時半過ぎに上野駅に着。遅くないかって?いいんだよ。早起きは嫌いだし時間に追われるのは大嫌いなのだ。というか、早く行ったところで観光資源の乏しい場所で何時間も電車を待つ羽目になるし。
ということで、はやぶさに乗り込む。

なお頭ゆるゆる旅程ガバガバノープランなので、新幹線に乗り込んでから宿へのアクセスを確認する始末。
すると、この新幹線は旅館から一番近い新花巻駅までは行かず、手前の一関駅にドロップされることが判明。旅館からは約70kmほど離れている。
したがって、宿へは、一ノ関から東北本線で花巻まで行き、バスに乗って旅館へGO!という旅程になった。
一ノ関付近には何があるかというと…何があるんだ?
駅周りを適当にぶらついてみる。

酒蔵が…あるやん!
東北の地酒と料理、味わいたくない?
地ビール「いわて蔵」で有名な世嬉の一酒造さん。ブルワリーじゃなくて、元々歴史ある日本酒の蔵なのね、へええ。
とりあえずお腹がめっちゃ空いたのでレストランへ。ビールも、日本酒も、あるんだよ!

頼んだのは、とれたてホップいわて蔵ビール。リンゴのような果実を感じる清冽な爽やかさ、青々としたホップの香りにスッと消える上品な苦味。
うまい、うますぎる。犯罪的だ。

頼んだご飯は、はっと汁と餅のセット。炭水化物パーティーが始まる…!
はっと汁というのは、提供された生地を自分で伸ばしてはちぎり鍋に投入するストロングスタイルの汁物である。みいちゃんと山田さんのみいちゃんも作ってたね!
とあるお殿様が美味さのあまり「うーん、これは御法度!w」と言ったのが由来だそうで、
東北地方特有の、深淵か?ってほど色も味も濃ゆい汁と合わせて、水餃子の皮だけチュルチュル食すような感覚。非常に美味しい。


あ、酒が切れた。
じゃあ、初めて見る「横屋」特別純米を…

ウーン、お米のボディの強さがダイレクトに口の中で主張してくる感じ。すんごいボリューム感だ。うまい。甘い餅とも合うのだ。

実はここの酒造の日本酒は、少量生産のためにほとんど市内でしか流通してないそうで、そりゃ知らんわけだと思った。
引き続き敷地を探検すると…なになに、「酒の民俗文化博物館」?

入場料300円を支払い、いざ進むと、何やら階段がお出迎え。

上らないわけがないよな。
というわけで上ると、

入れる酒樽があったので

まあ、入るよね。
館内には、日本酒が伝統的な手作業で造られてきた頃の道具がずらりと展示されており、それはそれは壮絶な肉体労働の形跡が感じられるとともに、
「無濾過生原酒」なんてのが産地でもないのに飲めるのは、醸造所や輸送の温度管理をはじめとした技術発展の賜物なんだなあと思うのでした。
だから注がれた酒を残すんじゃないぞ。そして飲める分しか注ぐんじゃないぞ。




それで売店でなんかやたらビールだのシードルだのスパークリング日本酒だのをめちゃくちゃいっぱい買い込み、東北本線で花巻駅に到着。そこからバスで温泉宿へ。
温泉コンプリート、したくない?

パウダースノーがしんしんと降っている様にテンションが上がる。
雪がしんしんと降るというのは、こういう雪国で生まれた表現なのだろうなと思った。
なぜなら、この2日ほど前に東京で降った雪は、視界がうるさくなるような大粒で、「べちゃぁ!だばぁ!!」みたいな表現の方がよりしっくりきていたので。
徒歩5分もせずに、今回の大目的地、藤三旅館に到着。

宿に着いてすぐ、陽気なスタッフさんから説明を受ける。
「湯治部はこの先ずっと奥にありまして、この角を曲がったところから、様子がおかしくなります。湯治部です。 ここは暖房入っているんですが、湯治部は廊下に暖房が入っていません。」
温泉フリークスの沼地へようこそと言わんばかりのご説明ありがとうございます。

旅館部はレッドカーペット。

なお湯治部。廊下は気温一桁。
うおさっむ。でも関東より体感温度が低くないのが不思議。
こうしてたどり着いたのが6畳の和室。ストーブと謎スペース完備だ。
この旅館は、一般的なサービスを受けられる「旅館部」と、色々なものがセルフサービスの「湯治部」に分かれており、今回私が取ったのは湯治部の方である。
これも古い旅館あるあるだが、増築を繰り返したのか館内が結構クネクネしていて、少しわかりづらい。説明を受けたくせに早速迷ってしまった。


布団の上げ下ろしはセルフサービスだが、膳は部屋の前に運んでいただける。ありがたい。民宿のような感じ。
この日のメインはカレーコロッケと豆乳鍋。
お米が甘くて美味しいのに驚いた。炭水化物を食べるとすぐお腹がいっぱいになってしまうのに、ぺろっと全て食べてしまった。さすが東北米どころ、ご飯が美味しいのだ。

さて、念願のお風呂タイムなのだが、ここの温泉は基本的に混浴で、女性専用タイムがかなり限られており、しかも浴室ごとに時刻が違う。
したがって、さながら浦安ネズミ園のアトラクションの順番を吟味するかのように、綿密な計画を立てねばならない。
「ここの温泉は4つとも源泉が異なります。コンプリート目指してくださいね^^」と微笑むスタッフさんの顔が脳裏にチラつく。
やってやろうじゃねえか。
最初は20時から女性タイムの「白猿の湯」へ。このためにここに来た。なあ、このために来たんだよ。
全国的にも珍しい立ち湯で、中央の岩からは新鮮な温泉がこんこんと湧き出る。至福である。
浴室の写真は、いずれもタイミング的に撮影できなかったので公式サイトから。

柔らかい泉質のはずなのだが、割と短時間で湯当たりしそうになったのには驚いた。
窓の外は吸い込まれそうな闇、途方もなく高い天井、無機質な白い蛍光灯。
東北の冬の夜の闇を煮詰めたような雰囲気の、すごく特殊な空間だったので、是非冬に行ってほしい・・・。
他のお湯もどんどんハシゴしていった。

「桂の湯」は川沿いの景観がいかにも温泉宿という感じ(でも夜に入ると外の闇が濃くてちょっと怖い)

1番身体に合ったのは「銀の湯」。こぢんまりとしていながらもリラクシングな空間。
湯あたりもせず割と長く浸かれる。
さて寝るかぁっと部屋に戻る。
ここで私は気付いた。

これ、石油ストーブ…だよね。
夜通し点けておくわけにいかないのでは???????
…………
私は約1年前から大洗で冬キャンスキルを鍛えたんだ……
見とけよ見とけよ……?
撮るの忘れたけど、寒さで夜中に起きた時室温見たら2度でした。ワロタ。もう完敗でいいよ。。。。。。。
翌日、もう寒くて全然寝られてない中サウナの併設された白糸の湯へ。

サウナ内は宮沢賢治作品がモチーフのレリーフが飾られていておしゃれ。
外気浴は、冬の朝の空気が肺の奥まで染み渡って、水風呂が要らない。
睡眠不足の心身が…とと…のう…
😇
脳みその裏側に銀河鉄道が見えかけたところで、朝ごはんの存在を思い出して、現世での自我を取り戻すとともに、部屋に帰る。
ザ・旅館の朝食は楽しく美味しいね。

この日は宮沢賢治のテーマパークに行こうと、バスで新花巻駅まで行ったものの、もう眠くて眠くてだるくて寒くて、そこから徒歩20分以上というのを見て心が折れ、花巻駅まで戻ることに。

花巻周辺の駅看板には、エスペラント語で駅名が書いてある。面白い。
クラフトビール、飲みたくない?
さて、魂の回復スポットにたどり着いた。



Lit work place【公式】
みんなだいすきクラフトビールの時間だよ!
ベーグルがたくさんあってとてもよい。

生ハムのベーグルサンドをアテに、昼間からいただきまーす!
肝心のビールラインナップはこちら。

うーん、真ん中のWood Storyは南部アカマツで香り付けしたらしいけど、独特の酸味があって好みが分かれそう。
私が一番好きだったのは、右のSeahorseかな!
他のビールも独創的で美味しそうだったので、また行くぞ。
以上、雪見温泉ひとり旅レポでした。
寒い時期にケチって湯治部に泊まるのはマジでやめておけという教訓を得て、私の温泉旅レベルは上がった…のかな?
そういえばこの11月に、藤三旅館本館と、立ち湯の『白猿の湯』が登録有形文化財になるとのニュースが流れていましたね。めでたーい!
混んじゃうかもしれないけれど、どんどんお金を落として貴重な温泉資源を守ってほしいし、温泉文化が盛り上がると嬉しいよなあと思うのでした。
是非行ってみてね!!

















































樽で熟成された「






























































































